過去の根管治療や抜歯後の病巣

「根管治療」の部分が「病巣」となり全身に悪影響を及ぼす

多くの方は、根管治療した歯が全身の健康に深刻な問題を引き起こす可能性があると聞いたら「そんなことあるの?」と驚かれると思います。根管治療した歯の根の部分は痛が無い場合、一見、何も問題ないように見えますが、実は、根管治療で全ての感染を取り除くことは極めて難しく、治療後の根管内に、微量の細菌感染と炎症が存在続けているためです。この「口腔内の病巣」は、自己免疫疾患、心血管疾患、消化器疾患、神経疾患、がんなど、深刻な健康問題を引き起こす可能性があります


「抜歯」後に「病巣」ができて全身に悪影響を及ぼす

ボーンキャビティ― = FDOJ(脂質変性顎骨歯槽骨壊死) ~ 乳がんとの関連も

「ボーンキャビティー」は、「FDOJ(脂質変性顎骨歯槽骨壊死)」「NICO(神経痛誘発性空洞化骨壊死)」とも呼ばれます。このボーンキャビティ―では、口腔内の病巣が全身に影響を与えるため、除去が必要です。欧米の医療先進国では既に問題となっています。

FDOJ(脂質変性顎骨歯槽骨壊死)とは 、抜歯後の治癒不全などが原因で顎骨内に発生した空洞状構造物のことで、FDOJからは全身性炎症性疾患との強い関連性があるRANTESが発現します。RANTESは周辺の毛細血管から血管内に侵入し、特に「乳ガン」との関連が報告されています

※RANTES(regulated on activation, normal T-cell expressed and secreted)とは 、1988 年に発見された CC ケモカインで、別名 CCL5 と呼ばれます。一般的には T 細胞・血小板・マクロファージ・樹状細胞・内皮細胞・線維芽細胞・脂肪細胞などの多様な細胞から分泌され、受容体 CCR1、CCR3、CCR5 を介して T 細胞・単球・好酸球・好塩基球などの遊走を誘導するものです。


口腔内の「一次病巣」から全身に「二次病巣」ができる


一般的な抜歯のケース


ボーンキャビティの予防を考えた抜歯


インプラントにおいても注意が必要

インプラント前に抜歯するようなケースでも注意が必要です。感染を取り残してしまうことによって、ボーンキャビティができてしまい、全身の病につながったり、インプラントの失敗につながったりする可能性があります。

当院の治療について

歯の抜歯というと比較的簡単な処置のように思われるかもしれませんが、精密検査をするとボーンキャビティができてしまっているケースが少なくありません。ボーンキャビティは感染が広がるために理想的な環境を提供することにつながってしまうことがあります。当院では、ボーンキャビティに対する治療を求めて来院される患者様もいます。また、医科における治療のために来院されるケースでも、自分にボーンキャビティがあり、それが健康に影響を与えていることに気付いていないこともあります。ボーンキャビティは、血流に乗らないため自然治癒しません。これにより、免疫反応が増強され、治癒の進展もないまま、体内の炎症状態が維持されてしまいます。

パルフェクリニックの歯科部門では、ボーンキャビティを精密な分析と感染検査に基づいて最小侵襲で除去します。そのために歯科用CTでの撮影や血液検査も行います。これらの検査の結果に基づいて、患者様お一人おひとりに合わせた治療が決定されます。治療方法には、必要に応じてオゾン療法を行うこともあります。