失活歯の毒素検査

神経を取った歯(失活歯)が全身に有害な影響を与える?

神経を取った歯(失活歯)は毒素の発生源(病巣)となる可能性があります。また、過去に根管治療した失活歯の場合、治療に使用された薬剤に、有害な金属が使用されていることもあります。

当院では「失活歯」の毒素を検査可能です。 神経を取った歯である「失活歯」には、血流は無くなっており、細菌と戦うことはできません。 そのため、根管内部に侵入した細菌は増殖していきます。この細菌は硫化水素などを発生させます。オロトックス(OroTox)検査では、歯周ポケット内の分泌液中の硫黄化合物、ポリアミン、および総タンパク質を判定します。 これら毒素のレベルが高い場合には、全身への悪影響のリスクが考えられますので、早期発見が大切です。

オロトックス(OroTox)検査とは

オロトックス(OroTox)検査は、目に見えない本当の歯の健康状態が測定できる検査です 。オロトックス(OroTox)検査は、根管治療を行った歯を抜歯する必要があるかどうか、または抜歯する代わりに修復あるいは補綴治療ができるかどうかを決めることに対しても有益な情報を与えてくれます。数分以内にその疑いのある歯が毒素を出しているかどうかを判断することができます。これまでは、疑いのある歯を抜歯するべきか残せるのかを判定するための科学的な検出方法はありませんでした。

オロトックス(OroTox)検査の概要

  • オロトックス(OroTox)検査を用いることで、レントゲン的に何ら問題がなかったとしても、根管治療が行 われている歯を抜歯する必要があるかどうか、または抜歯する代わりに修復あるいは補 綴治療ができるかどうかを決めるのに役立ちます。
  • オロトックス(OroTox)検査で問題がないという結果が出れば、その歯を残しても、生体に細菌や毒 素が拡散するリスクがないということになります。
  • オロトックス(OroTox)検査を行うことで、治療を開始する前に「失活歯もしくは根管治療済みの歯が、神経系に障害を与えたり酵素を阻害する毒素を出していないかどうか。」という疑問への答えが明確になります。
  • オロトックス(OroTox)検査では、「他の臓器や器官に障害を与える可能性がある細菌が、象牙細管内に存在しているかどうか。」 についても明らかになります。

化学的根拠について

歯が健康維持に重要な役割を持っていることはよく知られています。その相互作用は多様で、美しさ、表情、咀嚼機能、および毒素学の観点に基づいています。米国での研究によると、口腔内の毒素による全身への影響について、客観的なデータが示されています。すなわち、疾患を持つ歯が原因となって全身の健康を障害しているという事実です

Boyd E. Haley 教授は、歯を極めて毒性の強い潜在的原因物質として同定しました。それは、生化学、重金属神経毒学、および神経変性疾患分野における35年以上にも及ぶ研究の結果です。研究によると、根管充填された歯の象牙細管(失活していて歯内療法を受けている)と根管充填は行われていないが歯周疾患を持つ歯が、多くの異なる細菌を宿している(これらの細菌には、抗生物質や局所殺菌剤などは思うような効果が見込めません。)可能性があることを示しています。つまり、このことは細菌による全身感染症を引き起こす恒常的な感染源であることを意味しています。これらの細菌の多くは歯周症とも関連付けられます(例えばレンサ球菌、ペプトストレプトコッカス、真正細菌、バクテロイデス、紡錘形菌、アクチノマイセスなど)。 

これらの毒素は吸収され全身に蔓延して以下のような重大な健康被害を及ぼす場合があります

  • 敗血症性心内膜炎
  • 血液疾患
  • 梗塞
  • 関節症性乾癬
  • 脳卒中
  • 関節インプラントの感染
  • 高血圧
  • アメーバー性脳腫瘍
  • 動脈硬化
  • アルツハイマー
  • 眼疾患
  • 低出生体重
  • 肺炎

これらの細菌毒素と細菌タンパク質の多くは、感染した歯の歯肉溝滲出液内(歯周ポケット分泌液)に検出される場合があります。